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カイメイ中心 * VOCALOID二次創作小説サイト * メイコ愛をこっそり謡う
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2015/02/16 (Mon) Comment(0)
ぷらいべったにちまちま落としていたもの。

  注
*ローレライさんとギルティくん姉弟。
*姉弟でギルレライ。近親相姦。爛れてます。

大丈夫でしたら[読んでみる]からどうぞ。




*******



日暮れの路地を、弟を背負って歩いていた。弟はよく泣く子供だった。同じ年頃の男の子たちに小突かれて泣き、競争に負けて泣き、その日は転んで泣いた。擦りむいた膝を拭ってやり、頭を撫でて、泣き声がすすり上げる程度になるのを待って、背負ってやって家に連れ帰った。
帰り着くまでに弟は泣き止んで、それどころか、背に頬を預けて眠ってしまう。背に触れる重さと寝息に苦笑して、けれど往時から、それを厭う気持ちはなかった。背に感じる重みは温かった。
影は伸び、日は暮れる。彼を背に負うことができなくなったのはいつの頃だったか。両手を広げて招く青い目が微笑んで、ふと昔が思い出された。
「急ぎじゃ、ないんでしょ?」
早く来いとばかりに両腕を伸べてくる。十ばかりの封書を開き、目を通す間も待っていられないと言うようだ。小さく息を零した。
「堪え性のない子ね」
躾を間違えたかしらん。ペーパーナイフを差し入れた封筒をテーブルに置いて、泣き濡れることがなくなった弟に歩み寄る。伸べられる腕は長く、名を呼ぶ声は低く、彼は記憶の小さな男の子ではない。ソファにかける股の間に片膝を立て、被さるように顔を寄せるとしたりと笑んだ。開いた襟の首元に、チョーカーの銀が揺れる。
「姉さんが、待たせるから」
抱き寄せられる。膝を取られて横抱きにされた。赤と黒を交互にした裾の継ぎ目が割れて白い膝頭が露わになる。節立った指が骨ばった丸みを撫で、夕間暮れ、床には窓の影が格子に落ちていた。頤の縁と耳裏を吸うように唇が擽り、耳朶にそっと、囁きが吹き込まれる。
ねぇ。もう、待てない。
答えの代わりに青い前髪を掻き上げ、青年の額に口付けてやる。途端に、端正な顔貌が崩れるように綻んで、腕の中の体躯を抱えたそのままに立ち上がった。
「運んであげる」
得意げな表情は遠い日の少年を垣間見せる。昔日に少女の肩に縋って巡らせられたその腕が、今はこの体を易々と抱き上げるのかとも思う。彼の背に腕を届かせるように巡らせ、広く大きくなった胸元に寄り添った。
「じゃあ、お願いしようかしら」

日は、暮れていく。



*******

『お姫様抱っこしている』『いぬ式ギルレライ』を描きor書きましょう。 #kawaiiCP http://shindanmaker.com/62729

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