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カイメイ中心 * VOCALOID二次創作小説サイト * メイコ愛をこっそり謡う
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2012/06/10 (Sun) Comment(0)
※亜種注意
 
メイトとメイコの話!のつもりが…
CPはメトカコ、カイメイ。
 
 





「それじゃあ、カイくん!アイスごちそうさま!また明日!」
にこにこと笑うカイコに、カイトは複雑そうに手を振った。
「うん……また明日……」
一応の笑みは浮かべているが、内心は何が起きたのかわからないと言った風だ。
アイスは結局カイコが食べた。メイトが頂戴し、そのままカイコに渡した。次の瞬間には、すごくおいしかった、と過去形の感想が聞けた。本当に、一瞬の出来事だった。
容赦ないな、とは思ったがカイトのことはさして心配してはいない。横で苦笑しているメイコが慰めるだろう。腹立たしくはあるが、きっと間違いはない。
「じゃあね、二人とも。みんなによろしく」
玄関のたたきと上がりの段差が身長差を埋め、いつもよりも視線が近い。同じで違う、紅茶色の双眸。自分で来るつもりはないのか、と問えば困ったように緩められる。
理由がなければこの家に来ない、とメイコは指摘するが、そういう彼女だって同じだ。理由なく、研究所に寄りつかない。マスターである研究員たちを疑いなく愛しているはずなのに。
「そのうち行くわ」
拒絶しているわけではないらしい。呼ばれたからと言う彼女の姿を研究所に見ることもある。すれ違う度、もの思わしげな顔に問いかけようとして、成さないままだ。何を理由に問いかけようか、うまく得られなくて。
隣でカイコがメイコに耳打ちしている。次に来る時はちゃんとお財布持ってくるね。どんなにそっと囁いても、真隣に立つボーカロイドには筒抜けなのに。メイコは微笑ましく頷き、カイトも聞かないふりをして、苦笑している。
ふと思い立って、メイトは呼んだ。
「メイコ」
呼ばれて意識の向く、自分よりも細い肩に手を伸ばす。掴んで引き寄せて、メイト自身もたたきから少し伸び上がって、頬に軽く、唇を触れさせた。
「遅ればせながら5月5日、オメデトウ」
に、と口角を上げて笑って見せる。一度瞠って瞬いた眸が、気障、と呟きを置き、応えて笑んだ。
「アリガトウ」
隣で青い眸が二対、見開かれる。丸く見開かれた双眸の片やに涙が浮いて、溢れ零れた。
その日、絶叫が一軒家を揺らした。


---続

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