カイメイ中心
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VOCALOID二次創作小説サイト
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メイコ愛をこっそり謡う
忘却心中と独奏歌の他は、ZABADAKとか聞いてました。
ひどく歪な微笑を見せて後、人形は笑顔を張りつけることをやめてしまったようだった。彼自身がそれに気付いているのかどうかは、メイコにもわからない。
それでもメイコが水面に現れるのを見計らって、彼は岸辺にやってくる。よくわかるものだと感心すると、背後の切り立った岸壁を振り返り、視線で示した。
「人形なりに、人ざる力を持つように作られているのですよ」
誇るようでもない口調だった。
メイコが岸に上がって岩に腰かけると、少し距離を置いて控えるように立つ。見詰めると、私意のない眼差しが返ってきた。人形じみた無表情の中で、理解できないものを理解しようと探っているようでもあった。経験の少なさで言うならば、出会った頃の少年の幼さにも近いのかもしれないと思えた。
「隣に来たら?」
来られるでしょう、とメイコは岩肌を撫でると、人形が青い眸を二度ほど瞬かせた。その裏側を感じさせない表情に少年を垣間見る。
「あの子のこと、教えて。私の知らないあの子のこと」
何も持たず、だからこそすべてへの可能性を持っていた眩しい少年。彼の主と同じように、彼もきっと知るだろう。自分の意志と自由、そこに在る可能性に。
人形だからとて、縛られる必要などない。いつか彼もその足で歩き出す。その日を思ってメイコは微笑み、人形に向かって手招いた。
人形は僅かばかり躊躇い、それから砂礫を蹴る。軽やかにメイコの横に降り立ち、戸惑いながらも腰を下ろした。
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Re:人ざるってなんですか?
人みたいな猿でも猿みたいな人でもなく、間違えたと言うわけでもないです。
人にあらざるを略しました。
わかりにくかったですね。申し訳ないです。
以後熟慮します。
ただ今回は、考えてこの言葉を選んだので、誤用も私の歴史としてこのままにさせてください。
ご指摘ありがとうございました!
人にあらざるを略しました。
わかりにくかったですね。申し訳ないです。
以後熟慮します。
ただ今回は、考えてこの言葉を選んだので、誤用も私の歴史としてこのままにさせてください。
ご指摘ありがとうございました!